Maety Diary

調剤薬局・ドラッグストア・漢方薬局を渡り歩いている薬剤師のブログ! 気になるニュース、健康、映画、温泉、過去、思った事、いろいろ書きます!

生薬の副作用


生薬は体に優しいから副作用はないと勘違いされている方がたまにいらっしゃいます。
漢方薬の原料の生薬にも薬である以上、副作用はあります。
代表的なものだけを簡単に紹介してみます。

 

生薬の副作用

 

1.麻黄(マオウ)


中国やモンゴルに分布するマオウ科の植物です。有名な「葛根湯」等、いろいろな漢方薬に入っています。麻黄にはエフェドリンという物質が含まれている事が分かっており、この影響で、興奮してドキドキしたり、眠りにくくなったりする人がいます。また胃腸の調子が悪くなる人もいます。

 

副作用ではないのですが、ドーピングに引っかかる生薬ですので、スポーツされる方は、ご注意下さい。他にもドーピングに注意の必要な生薬がありますので、気になる方はスポーツファーマシストにご相談下さい。

 

2.地黄(ジオウ)


中国原産のゴマノハグサ科のアヤカジオウ(他にも種類あり)という植物です。この生薬が入っている有名な漢方薬は、「八味地黄丸」です。
副作用としては、この生薬の入った漢方薬で、胃腸の調子が悪くなる人があります。

ジオウ

写真AC

 

3. 大黄(ダイオウ)


中国原産のタデ科の植物です。便秘に使用する漢方薬によく入っています。瀉下作用があるので、体質によっては、下痢をしたり腹痛をしたりすることがあります。

 

4.附子(ブシ)


中国、韓国、日本に分布しているキンポウゲ科の植物、トリカブトです。いろいろと種類があるそうです。トリカブトと言っても、トリカブトの薬用部分(根)を加熱処理して毒性をなくしたものです。先ほどの「八味地黄丸」にも入っています。副作用としては、ドキドキしたり、のぼせたりする人がいます。

 

5.甘草(カンゾウ


中国原産のマメ科の植物です。かなり多くの漢方薬に入っています。
稀に、むくんだり、血圧が上がったりする事があります。
漢方薬を2種類併用したりする時は、甘草かぶり量が増えることがよくあります。この時は、特に注意が必要です。

甘草

写真AC



6.黄芩(オウゴン)


中国やモンゴルなどが原産のシソ科の植物です。「小柴胡湯」等に入っています。稀にアレルギー反応を起こすことがあります。近年、肝障害や間質性肺炎の副作用に注意が必要という事になっています。

 

 


代表的なものだけ紹介してみました。

 

食物にアレルギーがあるように、生薬にもアレルギーを起こす人がいます。
必ず副作用が出ないとは限らないのですね。

 

もし、漢方薬、又は生薬を飲んで、不快な症状が出た時は、副作用の可能性もありますので、主治医や購入した薬局の薬剤師等に相談して下さいね。