漢方薬の普及
西洋医学の薬と漢方薬、どっちがいいの?と比べられるものではないと思っています。
どっちも良いのです。むしろどっちも使うのが良いと思っています。
漢方薬の普及
1.西洋医学の薬と漢方薬の併用処方の経験
私が漢方薬の効果を実感したのは、10年くらい前でしょうか。耳鼻科の病院の隣の調剤薬局で働いていた時でした。
小さなお子さんが中耳炎で耳鼻科にかかっていました。
抗生物質を飲み、一旦は良くなるのですが、すぐにぶり返してしまい、何度も耳鼻科を受診していました。お母さんもどうしたものかと、困っておられました。
そんな時に、耳鼻科の医師が、ふと漢方薬を処方されました。調剤薬局で漢方薬を取り寄せて、お渡し致したところ、そのお子さんはぶり返す事がなくなったのです。
この時に、使用された漢方薬は、体力を上げるような効果のある漢方薬でした。
つまり、抗生物質で菌をやっつける事はできても、体力は上がらないため、再発していたのですが、漢方薬で体力をしっかりつけることで、再発しなくなったという事だと思うのです。
それ以来、耳鼻科の医師は、いろんな種類の漢方薬を採用するようになりました。
その漢方薬の名前は、薬機法に触れるとよくないので、伏せておきます。
私もこのケース以来、漢方薬は結構、有効なのだなと思うようになり、勉強するようになりました。それ以前は、実は漢方薬の事は、あまり信用していなかったですね。
最近では、西洋医学の薬と漢方薬を一緒に出す医師も増えてきているようです。
漢方薬を使用する事で西洋医学の薬を減らせるなんて話もちょくちょく耳にします。
もちろん素人判断はダメなので、西洋医学の薬と漢方薬を併用してみたい場合は、医師に相談するのが良いです。
2.漢方薬は普及しても煎じ薬は・・・
日本の歴史的に、一度、衰退してしまった漢方薬ですが、現在、漢方薬を処方する医師が増えて、「ずいぶん普及してきた」と、漢方の関係者から聞きます。しかし、昔ながらの煎じ薬はなかなか普及しません・・。
エキス顆粒と煎じ薬の違いは、よくコーヒーで例えられます。
エキス顆粒や錠剤が、インスタントコーヒーだとすると、煎じ薬はドリップコーヒーだと。そのため、漢方薬を専門に扱っているような施設では、昔ながらの煎じ薬をお勧めされる事があります。
しかし、やはり、主流はエキス顆粒や錠剤ですね。飲みやすいですから。
医師が煎じ薬を処方したくても、、、
・病院内に調剤できるスペースがない。
・近隣の調剤薬局が、煎じ薬の調剤に対応していない。
・煎じ薬の原料である生薬が、高い。
と言った理由で、エキス顆粒や錠剤しか処方できないのが実情なのですね。
調剤薬局も、煎じ薬を調剤しようと思うと、スペースがかなり必要なので、
よほどスペースに余裕のあるところでないと、導入できないでしょう。
またスペースを作るために、増築改装をしてまで、儲かるものでもないというのもあるでしょうね・・。